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2月28日原田小学校の朝の風景~交通安全について思うこと

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年2月28日更新

 今日で2月(如月)は終わりですね。最近、原田小学校の子どもたちが、横断歩道を渡り終わった際に振り返って礼をする姿をよく見かけるようになってきました。この「横断歩道を渡り終わった際に振り返って礼をする」取組を始めたのには、次のような理由があります。

 私が、教師に成り立ての今から35年前、通勤で「ある小学校」の前を通っていました。その小学校前の交差点は、横断歩道だけで信号がない危険な状態でしたが、次のような子どもたちの行動がドライバーの行動に変化をもたらせたのです。

 子どもたちは横断歩道に立つと手を挙げて渡る意志を表します。それに気付いた、ドライバーが車を停車させます。子どもたちは手を挙げたまま左右に気を付けながら横断歩道を渡った後、停車中のドライバーの方に振り返って「ありがとうございました。」と言った後、深々と礼をするのです。

 この行動により、そこを通るドライバーは、子どもたちが横断歩道を渡ろうとすると、進んで停車するようになったのです。もちろん私もその中の一人でした。子どもたちが礼をする姿に、大人として応えようとする気持ちが高まったからです。

 この行動の是非について異論を唱える方もいらっしゃいます。


 「道路交通法第三十八条の中に『横断歩道等によりその進路の前方を横断し、または横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。』とある。法律で、横断歩道を渡ろうとする歩行者があるときは停車する義務があるのだから、ドライバーはそれに従うべきで、横断する側がわざわざ立ち止まってお礼を言う必要はない。」

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 しかし現実には、横断歩道に人が立っていても車はなかなか止まりません。特に朝夕の通勤時間帯は、ドライバーも気が焦っていることが多く、そのため事故発生率も高くなっているのです。(取り締まりも厳しくなってきていますね。)

 一方で子どもたちも、「『青信号は、進めの合図』だから大丈夫。」と思っています。

 しかしこれは間違いで、「『青信号は進んでもよいの合図』だから、安全を確認して進もう。」となるのが正解なのです。携帯電話等に気を取られた車が赤信号に気付かずに交差点に侵入してくることだってあるからです。

福岡県警の発表では、7歳児の死傷事故が一番多く、時間帯では登下校中の事故が一番多いのです。

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 このような中、子どもたち自らが安全を意識し、交通事故から身を守るために原田小学校では、
「青信号になっても、必ず自分で安全を確認し、しっかり手を挙げて横断歩道を渡り、止まってくださった車の運転手さんを見て、ニッコリ笑顔で『ありがとう』を言って礼をしよう!」
を実行しているところです。

 

 このようにすることで以下のような効果があると考えています。


 1 子どもは、運転手を意識するようになるため、青信号になっても車が止まってくれているか自分で確認するようになる。
 2 手を挙げて横断歩道を渡ることにより、子ども自身が道路を横断している状況を意識するとともに、周りからも認識されやすい。
 3 子どもは、渡り終わり振り返って「ありがとうございました。」と発することにより、渡り終わった意識を持つ。
 4 子どもは、運転手の方を見て笑顔で礼をすることで、“車”という物質ではなく、“運転手”という人を意識するようになる。
 5 運転手は、当然の行為として停車したことに対して、笑顔でお礼を言われることで、自分の行為に対して効力感を感じ停車することが日常化していく。
 6 運転手は、ただの“子ども”ではなく、“礼儀正しい原田小学校の子ども”として認識するため、校区を走行中は特に意識して安全運転をしようと心がけるようになる。
 7 子どもは、将来自動車運転免許証を取得して運転手側になった際に、思い出し安全運転に心がけるようになる。
 8 子どもは、将来自分に子どもができたときに、交通安全意識の大切さを伝えるようになる。


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 このように、単に“現在の安全”だけでなく“将来につながる安全”へと広がっていくものだと考えています。

 保護者の皆さんの理解を得ながら、「21世紀をたくましく生き抜く子ども」を育成する安全指導を行っていきたいと考えていますので、ご理解とご協力をお願いいたします。(校長 安部)